引越しをしたら、旧住所宛ての郵便物を新住所に届けてもらうために「郵便転送届(転居届)」の手続きが必要です。この手続きをしておくと、届出日から1年間、旧住所宛ての郵便物を新住所に無料で転送してもらえます。
以前は郵便局の窓口に行って書類を提出するのが一般的でしたが、今はスマートフォンやパソコンから「e転居」というサービスを使ってオンラインで申請できるようになっています。わざわざ郵便局に行く必要がなく、自宅から数分で手続きが完了します。
この記事では、郵便転送届の基本的な仕組みから、e転居を使ったネット申請の具体的な手順、そして知っておくべき注意点まで詳しく解説します。引越し前に必ずチェックしておいてください。

郵便転送届(転居届)とは
郵便転送届は、日本郵便が提供する無料のサービスです。届出をすると、旧住所宛ての郵便物が自動的に新住所へ転送されます。転送期間は届出日から1年間です。
転送されるもの・されないもの
通常の郵便物(手紙・はがき・ゆうパック・ゆうメールなど)は転送の対象です。ただし、以下のものは転送されないので注意してください。
- 転送不要と記載された郵便物(銀行やクレジットカード会社からの書類に多い)
- 届出期間を過ぎた郵便物
- 差出人が転送を希望しない郵便物
「転送不要」と記載された郵便物は転送されず、差出人に返送されます。金融機関の重要書類にはこの指定がされていることが多いため、銀行やクレジットカードの住所変更は別途行う必要があります。
転送届の届出可能なタイミング
転送届は引越し前でも引越し後でも届出が可能です。ただし、届出から転送が開始されるまで3〜7営業日程度かかることがあるため、引越し日の1週間前には届出を済ませておくのがおすすめです。
e転居でオンライン申請する方法
e転居は、日本郵便が提供するインターネット上の転居届サービスです。スマートフォンやパソコンから24時間いつでも申請できます。
e転居の申請手順
具体的な手順は以下の通りです。
ステップ1:日本郵便のe転居サイトにアクセス
日本郵便の公式サイト(https://www.post.japanpost.jp/service/tenkyo/)からe転居のページにアクセスします。「お申し込みはこちら」ボタンをクリックして手続きを開始します。
ステップ2:ゆうびんIDでログイン
e転居の利用には「ゆうびんID」が必要です。まだIDを持っていない場合は、その場で無料登録できます。メールアドレスとパスワードを設定するだけで登録完了です。
ステップ3:本人確認を行う
マイナンバーカードまたは運転免許証を使った本人確認が必要です。スマートフォンのカメラで本人確認書類を撮影し、アップロードします。マイナンバーカードの場合はICチップの読み取りによる本人確認も可能です。
ステップ4:転居届の内容を入力
以下の情報を入力します。
- 届出人の氏名
- 旧住所(転送元の住所)
- 新住所(転送先の住所)
- 転送開始希望日
- 転居届を提出する人数(個人または家族全員)
ステップ5:申請内容を確認して送信
入力内容を確認し、問題がなければ送信します。受付完了のメールが届いたら手続き完了です。転送開始日以降、旧住所宛ての郵便物が新住所に届くようになります。

郵便局の窓口で転居届を出す方法
オンライン申請が苦手な方や、本人確認書類のアップロードがうまくいかない場合は、郵便局の窓口で手続きすることもできます。
窓口に持参するもの
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
- 旧住所が確認できるもの(現住所の免許証など)
- 新住所のメモ(正確な住所が分かるもの)
- 届出人の印鑑は不要
窓口で「転居届を出したい」と伝えると、専用の用紙を渡してもらえます。必要事項を記入し、本人確認書類を提示すれば手続き完了です。所要時間は10分程度です。
また、郵便局に備え付けの転居届のハガキに記入して、ポストに投函する方法もあります。ただし、この場合は本人確認のための確認書が旧住所に届き、そこに記載の確認番号を連絡する必要がある場合があります。
転送届の期間延長について
転送届の有効期間は1年間ですが、期間満了前に再度届出を行うことで、さらに1年間延長できます。延長手続きは何度でも可能です。
ただし、転送届はあくまで一時的な措置です。本来は1年以内にすべての住所変更を済ませ、旧住所宛ての郵便物がなくなる状態にするのが理想です。いつまでも転送に頼っていると、転送の処理漏れや遅延のリスクがあります。
延長手続きの方法
延長手続きも、e転居または郵便局の窓口から行えます。転送期間の残りが1ヶ月を切ったら、忘れないうちに手続きしておきましょう。e転居から延長する場合は、新規の届出と同じ手順で、旧住所と新住所を入力し直します。
家族での引越しと単身での引越しの違い
転居届は、個人単位でも世帯単位でも届出が可能です。ケースに応じた正しい届出方法を確認しておきましょう。
家族全員で引越す場合
家族全員が同じ新住所に引越す場合は、世帯主が代表で1枚の転居届を出すだけで、家族全員分の郵便物が転送されます。届出時に、転送対象となる家族の氏名を記入します。
家族の一部が引越す場合
単身赴任や進学で家族の一部だけが引越す場合は、引越す本人の分だけ転居届を出します。残りの家族宛ての郵便物は、これまで通り現住所に届きます。
転居届は「届出人の郵便物」だけが転送対象です。同居人やルームシェアをしている人の郵便物は、別途その人自身が転居届を出す必要があります。代理での届出はできません。
転居届を出し忘れた場合の対処法
引越し後に転居届を出し忘れたことに気づいた場合でも、慌てる必要はありません。転居届は引越し後でも届出が可能です。
ただし、届出から転送開始までに数日かかるため、その間に届いた郵便物は旧住所に届いてしまいます。旧住所がまだ存在する場合(前の住居がまだ自分の名義の場合など)は、新しい入居者に迷惑をかけてしまう可能性があるため、なるべく早く手続きしましょう。
もし旧住所に届いてしまった郵便物がある場合は、郵便局に連絡して回収を依頼するか、新しい入居者に転送をお願いすることになります。トラブルを避けるためにも、引越し前の段階で転居届を出しておくことが大切です。

転居届に関する注意点とよくある失敗
転居届の手続きで起こりがちな失敗とその対策をまとめました。
転送開始日を間違える
転送開始日は引越し日に合わせるのが基本です。引越し日より早い日付にしてしまうと、まだ旧住所に住んでいるのに郵便物が転送されてしまいます。逆に遅い日付にすると、引越し後しばらくは旧住所に届いてしまいます。
新住所の入力ミス
新住所の番地やマンション名を間違えると、転送先に届かなくなります。特にe転居でのオンライン申請では、入力ミスに気づきにくいため、送信前に慎重に確認しましょう。マンション名の「ー」と「−」の違いなど、細かい点にも注意が必要です。
転送期間の失念
転送期間は1年間です。1年を過ぎると旧住所宛ての郵便物は差出人に返送されます。まだ旧住所宛ての郵便物がある場合は、期間満了前に延長手続きを行いましょう。同時に、まだ住所変更が済んでいないサービスがないか確認するきっかけにもなります。
引越し後に届くべき郵便物のリストは、総務省の引越しワンストップサービス紹介ページ(https://www.soumu.go.jp/)も参考にしてみてください。
よくある質問(Q&A)
Q. 転居届の手続きに費用はかかりますか?
A. いいえ、転居届の手続きは無料です。e転居でのオンライン申請も、郵便局窓口での申請も、一切費用はかかりません。転送も無料で行ってもらえます。
Q. 転居届は引越しの何日前から出せますか?
A. 転送開始希望日の30日前から届出が可能です。引越し日が決まったら早めに手続きしておくと安心です。届出から転送開始まで3〜7営業日かかるため、遅くとも1週間前には届出を済ませましょう。
Q. e転居の本人確認でマイナンバーカードも免許証もない場合はどうすればいいですか?
A. e転居での本人確認にはマイナンバーカードまたは運転免許証が必要です。どちらもお持ちでない場合は、郵便局の窓口で手続きしてください。窓口ではパスポートや健康保険証など、他の本人確認書類でも対応してもらえます。
Q. 転居届を取り消すことはできますか?
A. はい、できます。転居届を取り消したい場合は、郵便局の窓口に本人確認書類を持参して手続きを行ってください。e転居からのオンライン取り消しには対応していないため、窓口での手続きが必要です。
Q. ゆうパックや書留も転送されますか?
A. はい、ゆうパック・書留・レターパックなども転送の対象です。ただし、「転送不要」と記載された郵便物は転送されず差出人に返送されます。また、他社の宅配便(ヤマト運輸・佐川急便など)は日本郵便の転居届の対象外です。

