引越しの荷造りを始めると、「これ、捨てるのはもったいないな」というものが次々に出てきます。着ていない服、読み終わった本、買ったのに使わなかった調理家電。処分費用を払って捨てるくらいなら、売ってお金に変えたいと考えるのは自然なことです。
そこで登場するのがメルカリです。スマホ1台で出品できて、引越し費用の足しにもなる。ただし引越しという期限つきの状況でフリマアプリを使うには、それなりの戦略が必要です。何も考えずに出品すると、引越し当日になっても売れ残った荷物を抱えて途方に暮れることになります。
この記事では、引越し前の不用品をメルカリで効率よく売り切るためのコツを、手数料や送料の計算方法も含めて具体的に解説します。「売る」と「捨てる」の線引きをどこに置くかまで踏み込むので、荷物を減らしたい方はぜひ最後まで読んでみてください。

まずは手数料と送料の仕組みを押さえる
「3,000円で売れた!」と喜んでいたら、手元に残ったのは1,900円だった。メルカリ初心者がよくやる誤算です。値付けの前に、引かれるお金を正確に把握しておきましょう。
販売手数料は売れた金額の10%
メルカリでは、商品が売れると販売価格の10%が販売手数料として差し引かれます。3,000円で売れたなら300円です。出品自体は無料なので、売れなければ手数料もかかりません。
送料は出品者負担が主流
送料を購入者負担にすることもできますが、実際には「送料込み(出品者負担)」の商品のほうが明らかに売れやすい傾向があります。購入者から見れば、総額がひと目でわかるほうが安心だからです。つまり販売価格から手数料10%と送料を引いた額が、実際の手取りになります。
配送方法別の送料の目安
メルカリには専用の配送サービスが用意されており、サイズごとに送料が決まっています。主なものを整理すると次のとおりです(記事執筆時点の目安)。
| 配送方法 | 送料の目安 | サイズの上限 |
|---|---|---|
| ゆうパケットポストmini | 160円 | 21×17cm |
| ネコポス | 210円 | 3辺60cm以内・長辺34cm以内・1kg以内 |
| ゆうパケットポスト | 215円+専用箱または発送用シール代 | 3辺60cm以内・厚さ3cm以内・2kg以内 |
| 宅急便コンパクト | 450円+専用BOX代70円 | 25×20×5cm |
| 宅急便60サイズ | 750円 | 2kg以内 |
| 宅急便80サイズ | 850円 | 5kg以内 |
| 宅急便100サイズ | 1,050円 | 10kg以内 |
| 宅急便140サイズ | 1,450円 | 20kg以内 |
最新の料金はメルカリ公式コラムの送料一覧で確認できます。宅急便コンパクトやゆうパケットプラスのように、送料とは別に専用箱代がかかる方式もあります。配送方法は途中で変更できるものもありますが、出品時にサイズと箱代を想定しておかないと利益がほぼ消えるので注意してください。
手取りの計算式
販売価格 −(販売価格 × 10%)− 送料 = 手取り
例:1,500円で売って80サイズ(850円)で発送 → 1,500 − 150 − 850 = 500円
安い商品を大きい箱で送ると、ほとんど残りません。
衣類や布ものなら、箱ではなく薄手の宅配袋に入れるだけでネコポスやゆうパケットポストのサイズに収まることもあります。送料を1段階下げるために、何枚か手元に置いておくと便利です。
大型の家具・家電も送れる「梱包・発送たのメル便」
引越しで手放したいものの多くは、実は大型です。ソファ、テーブル、本棚、自転車。こうしたものは通常の宅急便では送れませんが、メルカリには大型商品専用の配送サービスがあります。
集荷から梱包、搬出、設置までを配送業者がやってくれるため、自分で梱包する必要がありません。サイズ別の送料の目安は次のとおりです。
| サイズ | 送料の目安 | 対象になりやすいもの |
|---|---|---|
| 80サイズ | 1,700円 | 小型家電、扇風機 |
| 120サイズ | 2,400円 | カラーボックス、キャリーケース |
| 160サイズ | 3,400円 | 座椅子、小型テーブル |
| 200サイズ | 5,000円 | 本棚、自転車 |
| 250サイズ | 8,600円 | 1人掛けソファ、ダイニングテーブル |
| 300サイズ | 12,000円 | 2人掛けソファ、食器棚 |
| 350サイズ以上 | 18,500円〜 | 大型ソファ、ベッドフレーム |
ここで大事なのは冷静な計算です。3,000円で売れたソファを12,000円かけて送ったら、9,000円以上の赤字になります。大型品は「送料を差し引いても利益が出る価格で売れるか」を先に判断しましょう。難しいなら、出張買取や地域の譲渡サービスのほうが向いています。

引越し前に売れやすいもの、売れにくいもの
売れやすいジャンル
- ブランド衣類・靴・バッグ:サイズが小さく送料が安いうえ、需要が安定している
- 本・漫画・専門書:まとめ売りにすると回転が早い
- ゲーム機・ソフト:型落ちでも一定の需要がある定番ジャンル
- 調理家電・美容家電:箱と説明書が残っていると価格が上がりやすい
- ベビー用品・子ども服:使用期間が短いため状態がよく、探している人も多い
- スマホ・タブレット・PC周辺機器:小さくて高単価という理想的な組み合わせ
売れにくく、引越し前には向かないもの
- ノーブランドの大型家具:送料が価格を上回ることが多い
- 使用感の強い衣類・寝具:写真では伝わりにくく、トラブルの原因にもなりやすい
- 古い大型家電:製造から年数が経つと需要が急に落ちる
- 大量の食器:割れ物は梱包の手間が大きく、送料もかさむ
引越しまでの時間は限られています。「小さくて高く売れるもの」から優先して出品するのが、効率のいい進め方です。
期限内に売り切るための出品テクニック
1枚目の写真で勝負が決まる
メルカリの検索結果はサムネイル画像が並ぶ形式です。つまり最初に見られるのは1枚目の写真だけ。明るい場所で、無地の背景に置いて、商品全体が写るように撮りましょう。スマホの標準カメラで十分ですが、蛍光灯の下より窓際の自然光のほうがきれいに写ります。
写真は最大10枚まで登録できます。全体・正面・側面・付属品・キズや汚れの箇所、と一通り撮っておくと、購入前の質問が減ってやり取りがスムーズになります。
荷物が散らかった引越し前の部屋では、無地の背景を確保するのがひと苦労です。白い背景シートを1枚用意しておくと、どこでも同じ条件で撮れるので出品のペースが落ちません。
タイトルは検索されるワードを入れる
「かわいい服」ではなく「ユニクロ ニット Mサイズ ベージュ 長袖」のように、ブランド名・カテゴリ・サイズ・色を並べます。購入者は検索窓から探すので、検索されそうな単語をタイトルに詰め込むほど見つけてもらいやすくなります。
説明文にはマイナス情報も書く
「小さなシミがあります」「角に擦れがあります」といった情報は、隠さずに書いてください。写真も添えておけば、届いてから「聞いていない」となるトラブルを防げます。正直に書いた出品は評価も安定しやすく、結果として次の商品も売れやすくなります。
値下げ幅は最初から織り込んでおく
メルカリでは値下げ交渉のコメントが日常的に届きます。最初から限界価格で出すと交渉に応じられず、そのまま売れ残ることも。100〜300円ほど上乗せした価格から始めて、交渉に応じる余地を残しておくと、話がまとまりやすくなります。
出品してはいけないものがあります。化粧品の小分け、開封済みの食品、リサイクル料金が必要な家電の一部など、規約や法律で禁止されているものは出品できません。判断に迷うものは、出品前にメルカリのガイドで確認しましょう。

引越しから逆算した出品スケジュール
フリマアプリは「出せば即売れる」ものではありません。引越し日から逆算して、余裕を持って動きます。
2か月前:不用品を仕分けし、売る候補をリストアップ。単価が高そうなものから出品開始
1か月前:売れ残りを一度値下げ。再出品して検索上位に戻す
3週間前:ここで売れないものは処分ルートを確保しておく
2週間前:新規の出品を止める。梱包資材が荷造りの邪魔になるため
1週間前:出品中の商品をすべて取り下げ、残ったものは処分または新居へ
特に見落としがちなのが、引越し直前に売れると、荷造りの真っ最中に梱包・発送作業が発生するという点です。段ボールだらけの部屋で商品を探し出して包むのは、想像以上のストレスになります。2週間前には店じまいを始めましょう。
荷造り用の段ボールは早めにまとめて用意しておくと、小さめの箱をフリマの発送用に回せて一石二鳥です。
売上金の受け取りも忘れずに
売れたお金はメルカリ内の売上金として貯まります。銀行口座へ振り込む場合は振込申請手数料として一律200円がかかるため、少額ずつ何度も申請すると手数料がかさみます。まとめて申請するか、そのまま買い物やコード決済に使うのが無駄がありません(メルカリガイド 売上金の振込)。
発送を楽にする梱包の準備
引越し前は梱包資材が身近にあるので、実はフリマ向きの時期でもあります。荷造り用の緩衝材やビニール袋を少し取り分けておくと、発送のたびに買いに走らずに済みます。
- プチプチ(気泡緩衝材):割れ物や家電に
- OPP袋・透明ビニール袋:衣類の防水に
- ガムテープ・クラフトテープ:段ボールの封に
- 小さめの段ボール:60サイズ用は100円ショップでも買える
発送方法は、コンビニから出せるものを選ぶと負担が軽くなります。ゆうパケットポストのように郵便ポストへ投函できるサービスもあり、日本郵便の窓口に行かなくても発送が完了します(日本郵便)。

メルカリだけに頼らない使い分けを
引越しという期限がある以上、メルカリ一本で全部を売り切るのは現実的ではありません。手放したいものの性質ごとに、出口を分けておくと一気に片付きます。
点数が多いなら出張買取
家具や家電が5点も10点もあるなら、リユースショップの出張買取のほうが向いています。1点ずつ写真を撮って出品する手間がなく、査定から搬出まで一度で終わります。1点あたりの単価はメルカリより下がりやすいものの、時間あたりの効率で考えると出張買取に軍配が上がる場面は多いです。
本・ゲーム・ブランド品は宅配買取
段ボールに詰めて送るだけの宅配買取は、点数が多いジャンルと相性がいい方法です。査定額に納得できなければ返送してもらえるサービスもあります。引越しの荷造りと並行して箱に詰められるので、作業の流れも自然です。
本やDVDを詰めた箱は重くなりがちなので、封はしっかりしたテープで留めておくと輸送中に底が抜ける心配が減ります。
値段がつかないものは譲る・処分する
製造から年数が経った家電や、使用感の強い家具は、売ろうとするだけ時間の無駄になることがあります。地域の譲渡掲示板で引き取り手を探すか、自治体の粗大ごみ収集に回しましょう。処分にも予約と日数が必要なので、判断は早めに。
使い分けの目安
・小さくて高い(スマホ、ブランド品、ゲーム機)→ メルカリ
・大きくて売れそう(家具、比較的新しい家電)→ 出張買取
・数が多くて単価が低い(本、DVD、衣類)→ 宅配買取かまとめ出品
・値段がつかない(古い家具・家電)→ 譲渡または粗大ごみ

よくある質問
Q. 引越し前にメルカリを始めるのは遅すぎますか?
A. 1か月あれば十分に売れます。ただし出品直後がいちばん見られやすいので、時間がないほど「小さくて需要のあるもの」に絞るのがおすすめです。大型家具は買取や譲渡に回したほうがスムーズに片付きます。
Q. 出品したまま引越しても問題ありませんか?
A. 商品を持っていくなら問題ありませんが、発送元の住所変更を忘れずに行いましょう。引越しの混乱期に売れると発送が遅れがちなので、荷造り期間中は「公開停止」にしておくと安心です。
Q. 匿名配送は使えますか?
A. らくらくメルカリ便・ゆうゆうメルカリ便を選べば、お互いの住所を伝えずに配送できます。引越し前後で住所が変わる時期は、個人情報のやり取りを減らせる点でもメリットがあります。
Q. 家電を売るときに気をつけることは?
A. 動作確認をして、その結果を説明文に書いてください。製造年、付属品の有無、リモコンや電源コードが揃っているかも重要です。なお冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコンは家電リサイクル法の対象で、出品や配送に制限があるため事前確認が必要です。
Q. 値下げ交渉には応じるべきですか?
A. 引越しという期限があるなら、多少の値下げには応じたほうが結果的に得です。処分費用を払って捨てることを考えれば、数百円の値下げで売れるほうが手元に残るお金は多くなります。
Q. まとめ売りは有効ですか?
A. 本や子ども服など単価の低いものは、まとめたほうが売れやすく発送も1回で済みます。ただし重量が増えて送料が上がるため、80サイズ・5kg以内など上限を意識して組み合わせましょう。
Q. 売れ残ったものはどうすればいいですか?
A. 自治体の粗大ごみ収集、リユースショップの出張買取、不用品回収業者のいずれかに切り替えます。粗大ごみは申し込みから回収まで時間がかかるため、売れ残りが確定する前に予約を入れておくと慌てずに済みます。
まとめ
引越し前のメルカリは、荷物を減らしながらお金も生む一石二鳥の方法です。ただしうまくいくかどうかは、手数料10%と送料を織り込んだ値付けができるか、そして引越し日から逆算したスケジュールを守れるかにかかっています。
小さくて需要のあるものから出品し、大型品は無理に送ろうとしない。2週間前には店じまいをして荷造りに集中する。この2点さえ押さえておけば、段ボールの山と格闘しながら発送作業に追われる事態は避けられます。まずはクローゼットの中から、売れそうなものを3つ選ぶところから始めてみてください。

