新居に引越したら、自分好みの空間を作りたいと思う方は多いのではないでしょうか。しかし賃貸物件の場合、「壁に穴を開けられない」「退去時に原状回復が必要」という制約があり、DIYに踏み切れない方も少なくありません。
実は、原状回復可能なDIYの方法はたくさんあります。壁に穴を開けずに棚を設置したり、はがせる壁紙で部屋の雰囲気をガラッと変えたりと、賃貸でも諦める必要はありません。近年は100均やホームセンターで賃貸向けのDIYアイテムが充実しており、初心者でも手軽にチャレンジできる環境が整っています。
この記事では、賃貸でもできる原状回復OKなDIYアイデアを厳選して紹介します。壁・床・キッチン・収納など場所別にまとめたので、新居を自分らしくカスタマイズしたい方はぜひ参考にしてみてください。

賃貸DIYの大前提!原状回復のルールを理解しよう
まずは賃貸物件のDIYにおける大前提を押さえておきましょう。
原状回復とは何か
原状回復とは、退去時に入居した時の状態に戻すことです。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、通常の使用による経年劣化(壁紙の変色、フローリングの日焼けなど)は借主の負担にはなりません。しかし、故意や不注意による損傷(壁の穴、床のキズなど)は借主の負担となります。
賃貸DIYで避けるべきこと
- 壁にネジや釘で穴を開ける(画鋲程度なら許容される場合が多い)
- 壁紙を直接剥がしたり上から貼り付けたりする(はがせないタイプ)
- 床に接着剤で固定する
- 建具(ドア・窓枠)を加工する
- 設備(キッチン・バスルーム)を変更する
賃貸DIYで使えるアイテムの基本
賃貸DIYで重要なのは、「取り外せる」「跡が残らない」アイテムを使うことです。具体的には、以下のようなアイテムが賃貸DIYの味方になります。
- はがせる壁紙(貼ってはがせるタイプ)
- マスキングテープ
- 突っ張り棒・突っ張り棚
- ディアウォール・ラブリコ(2×4材を使った突っ張りシステム)
- 吸着式のフロアタイル
- はがせる両面テープ・粘着フック
DIYを始める前に、賃貸契約書の「禁止事項」を必ず確認しましょう。物件によっては画鋲もNGだったり、逆にDIY自由の物件もあります。不安な場合は管理会社に事前に相談するのが安全です。
壁のDIYアイデア
壁は部屋の印象を大きく左右する場所です。原状回復OKな方法で壁をアレンジするアイデアを紹介します。
はがせる壁紙(リメイクシート)で模様替え
最も手軽に壁の印象を変える方法が、はがせる壁紙(リメイクシート)の使用です。裏面がシールになっていて、既存の壁紙の上から貼り付けるだけで部屋の雰囲気をガラッと変えられます。
レンガ調、木目調、コンクリート調、タイル調など多彩なデザインがあり、100均でも購入可能です。ただし、100均のリメイクシートは粘着が強すぎて剥がす際に壁紙を傷める可能性があるため、壁に直接貼る場合は先にマスキングテープを貼り、その上からリメイクシートを貼る「マスキングテープ下地」の方法をおすすめします。
アクセントウォールを作る
部屋の1面だけ色や柄を変える「アクセントウォール」は、海外のインテリアでも定番の手法です。はがせる壁紙やペンキ(はがせるタイプ)を使えば、賃貸でも実現可能です。リビングのテレビ背面や寝室のベッドヘッド側の壁をアクセントにするのが人気です。
壁面収納をDIYする(ディアウォール・ラブリコ)
壁に穴を開けずに壁面収納を作れるのが、ディアウォールやラブリコを使った方法です。ホームセンターで販売されている2×4材(ツーバイフォー材)の上下にこれらのアジャスターを取り付け、天井と床で突っ張ることで柱を設置します。
柱を設置した後は、そこに棚板やフックを自由に取り付けられます。本棚、飾り棚、キッチンの調味料棚など、用途に合わせてカスタマイズ可能です。退去時は柱を外すだけで原状回復できます。
ラブリコの公式サイト(https://www.heianshindo.co.jp/labrico/)では、設置方法や活用事例が詳しく紹介されています。
ウォールステッカーで飾る
貼ってはがせるウォールステッカーは、壁をおしゃれに演出する手軽なアイテムです。植物やアニマルモチーフ、英字ロゴ、時計型など、デザインも豊富です。リビングやトイレ、子ども部屋のアクセントとして活用できます。

床のDIYアイデア
床の雰囲気を変えると、部屋全体の印象が大きく変わります。賃貸でもできる床のDIY方法を紹介します。
クッションフロアを敷く
クッションフロアは、既存のフローリングやカーペットの上に敷くだけで床のデザインを変えられるシート状の床材です。木目調、タイル調、大理石調など多彩なデザインがあり、ホームセンターで1m×1mあたり数百円〜で購入できます。
接着剤を使わず、両面テープや吸着シートで固定すれば原状回復も可能です。賃貸用の「置くだけフロアタイル」は、裏面に吸着加工が施されており、敷くだけで滑りにくくなる仕組みです。
タイルカーペットを敷く
正方形のカーペットパネルを組み合わせて敷くタイルカーペットは、汚れた部分だけ取り替えられる利便性が魅力です。色を組み合わせてオリジナルのデザインを作ることもでき、リビングや寝室の模様替えに最適です。ペットがいる家庭では、滑り止め効果のあるタイルカーペットが重宝します。
ラグ・マットでゾーニング
ワンルームや1LDKでは、ラグやマットを使って空間をゾーニング(区分け)する方法が有効です。リビングスペースにラグを敷くことで、食事エリアとくつろぎエリアを視覚的に区別できます。
クッションフロアやフロアタイルを敷く場合、既存の床との間に湿気がこもるとカビの原因になることがあります。定期的に換気し、床材の下の状態もチェックするようにしましょう。
キッチンのDIYアイデア
キッチンは毎日使う場所だからこそ、使いやすくおしゃれにしたいスペースです。
壁面にリメイクシートを貼る
キッチンの壁がタイルや白い壁紙で味気ない場合、リメイクシートを貼ることで雰囲気を一新できます。耐熱・防水タイプのリメイクシートもあり、コンロ周りにも使えます。ただし、コンロの直近には貼らないようにしましょう。
突っ張り棚で収納力アップ
キッチンの収納が足りない場合、突っ張り棚を使って壁面収納を追加するのが効果的です。調味料ラック、マグカップフック、キッチンツール掛けなど、用途に合わせた収納を作れます。突っ張り棚は100均でもシンプルなものが手に入りますが、耐荷重が必要な場合はホームセンターでしっかりしたものを選びましょう。
キッチンカウンターをDIYする
カラーボックスに天板を載せるだけで、簡易的なキッチンカウンターが作れます。カラーボックスの向きを変えれば収納付きのカウンターになり、食器や食材のストック場所としても活用できます。天板にリメイクシートを貼れば、カフェ風のおしゃれなカウンターに仕上がります。
収納のDIYアイデア
賃貸の収納スペースは限られていることが多いですが、DIYで収納力を大幅にアップできます。
デッドスペースを活用する
トイレの上部、洗濯機の上部、冷蔵庫と壁のすき間など、普段は使わないデッドスペースに収納を設置するのがDIYの腕の見せどころです。突っ張り棒と棚板の組み合わせで、トイレ上部に収納棚を作ったり、洗濯機上部にタオルラックを設置したりできます。
有孔ボード(ペグボード)で見せる収納
有孔ボード(ペグボード)は、穴にフックや棚を差し込んで、自由にレイアウトできる壁面収納アイテムです。ディアウォールやラブリコで設置した柱に有孔ボードを取り付ければ、壁に穴を開けずに「見せる収納」が完成します。
アクセサリーの収納、キッチンツールの収納、デスク周りの整理整頓など、用途は多岐にわたります。100均でもミニサイズの有孔ボードが手に入り、デスクの上にスタンドで置くタイプもあります。
ワイヤーネットで吊り下げ収納
ワイヤーネットに結束バンドやS字フックを組み合わせて、吊り下げ収納を作る方法も人気です。玄関に帽子やバッグの収納スペースを作ったり、バスルームにシャンプーのストック置き場を作ったりと、アイデア次第で様々な場所に応用できます。

DIY初心者が失敗しないためのコツ
DIYに初めてチャレンジする方が陥りがちな失敗と、その防ぎ方をまとめました。
採寸は何度も確認する
「サイズを間違えた」はDIY最大の失敗パターンです。棚板やカーテン、壁紙を購入する前に、最低2回は採寸することを徹底しましょう。メジャー(巻き尺)は100均でも手に入ります。
小さい場所から始める
いきなりリビングの壁一面にリメイクシートを貼るのはハードルが高いです。まずはトイレの壁やキッチンの一角など、小さいスペースから始めると、失敗しても修正が利きやすく、コツをつかめます。
原状回復できるか事前にテストする
はがせる壁紙やテープ類は、目立たない場所で先にテストしてから本番に使いましょう。壁紙の種類によっては、はがす際に下地ごと剥がれてしまうことがあります。
SNSや動画で事例を研究する
InstagramやPinterest(https://www.pinterest.jp/)で「賃貸DIY」「原状回復OK DIY」と検索すると、実際の事例が大量に見つかります。YouTubeでも作業手順を動画で解説しているチャンネルが多数あるので、作業前に一度視聴しておくと失敗を減らせます。
- 採寸は最低2回、数字はメモに残す
- 小さい場所から始めて経験を積む
- 高価な材料を使う前に、目立たない場所でテスト
- SNSやYouTubeで事例をリサーチしてから作業開始
- 困ったらホームセンターのスタッフに相談する
賃貸DIYの費用目安
各DIYにかかるおおよその費用をまとめました。
| DIY内容 | 費用目安 | 難易度 |
|---|---|---|
| リメイクシート(1面分) | 1,000〜5,000円 | 初心者向け |
| ウォールステッカー | 500〜2,000円 | 初心者向け |
| ディアウォール棚(1セット) | 3,000〜8,000円 | 中級者向け |
| クッションフロア(6畳分) | 5,000〜15,000円 | 中級者向け |
| 有孔ボード収納 | 2,000〜5,000円 | 中級者向け |
| キッチンカウンター(カラーボックス活用) | 3,000〜7,000円 | 初心者向け |
すべてを一度にやる必要はありません。まずは低予算・低難易度のものから始めて、慣れてきたら少しずつステップアップしていくのが続けるコツです。
新居のDIYに関するQ&A
Q. ディアウォールとラブリコ、どっちがいい?
A. 両方とも2×4材で柱を立てるアイテムですが、ディアウォールはバネ式、ラブリコはネジ式(突っ張り)という違いがあります。ラブリコのほうが微調整がしやすく、後からの締め直しも簡単なため、初心者にはラブリコがおすすめです。耐荷重はどちらも同程度(柱1本あたり縦方向約20kg)です。
Q. 賃貸で壁に絵やポスターを飾りたい場合は?
A. 画鋲(ピン)は一般的に許容される範囲とされていますが、契約書を確認してください。穴を開けたくない場合は、はがせる粘着フック(3Mのコマンドフックなど)やマスキングテープ+両面テープの組み合わせで対応できます。重いフレームの場合はピクチャーレール(既設の場合)を活用しましょう。
Q. リメイクシートが上手く貼れない場合のコツは?
A. 空気が入ってしまう場合は、端から少しずつ貼り、スキージー(ヘラ)で空気を押し出しながら貼ると仕上がりがきれいになります。スキージーがなければ、定規やカードで代用できます。シワが入った場合は一度剥がしてやり直しましょう。気温が低いと粘着力が弱くなるため、室温20度以上の環境で作業するのがベストです。
Q. 退去時にDIYした部分の原状回復が難しそうな場合は?
A. 壁紙が剥がれてしまった、床にキズがついたなどの場合は、正直に管理会社に報告しましょう。自分で補修を試みると悪化する可能性があります。壁紙の一部破損程度であれば、経年劣化の範囲として借主負担にならないケースもあるため、ガイドラインを確認してみてください。
Q. DIYで使う工具は何を揃えればいい?
A. 最低限必要なのは、メジャー、カッター、はさみ、ドライバー(プラス・マイナス)、水平器です。すべて100均で揃います。電動ドリルが必要な場合は、ホームセンターでレンタルサービスを利用するとコストを抑えられます。


