同じ市区町村内や隣の市への引越しなど、近距離の引越しは大手業者に頼むと割高になりがちです。移動距離が短いのに数万円もかかるのは、もったいないと感じる方も多いのではないでしょうか。
近距離引越しには、大手引越し業者以外にも地域密着型の業者や赤帽、軽貨物業者など、さまざまな選択肢があります。荷物量や予算に応じて最適な業者を選ぶことで、費用を大幅に抑えられる可能性があります。
この記事では、近距離引越しの料金相場や、おすすめの業者タイプ、そして業者選びで失敗しないためのポイントを詳しく解説します。近場への引越しを予定している方は、ぜひ参考にしてください。

近距離引越しの料金相場
近距離引越し(移動距離20km以内)の料金相場は、荷物量や時期によって大きく異なります。目安となる金額を確認しておきましょう。
一人暮らし(単身)の場合
一人暮らしの近距離引越し料金の相場は以下の通りです。
- 通常期(5月〜1月):20,000円〜40,000円
- 繁忙期(2月〜4月):35,000円〜70,000円
荷物が少なければ20,000円以下で済むケースもあります。特に赤帽や軽貨物業者を利用すれば、10,000円台で引越しできることもあります。
二人暮らしの場合
- 通常期:40,000円〜70,000円
- 繁忙期:60,000円〜120,000円
ファミリー(3人以上)の場合
- 通常期:60,000円〜100,000円
- 繁忙期:80,000円〜180,000円
繁忙期は通常期の1.5〜2倍の料金になることが多いです。引越し時期を選べるのであれば、繁忙期を避けるだけで大幅に節約できます。
- 近距離でも繁忙期は料金が1.5〜2倍に
- 荷物量で料金が大きく変動する
- 業者の選び方次第で半額以下になることも
- 必ず複数社の見積もりを比較する
近距離引越しにおすすめの業者タイプ
近距離引越しで利用できる業者はいくつかの種類に分かれます。それぞれの特徴を理解して、自分に合った業者を選びましょう。
大手引越し業者の単身パック
サカイ引越センター、アート引越センター、日本通運などの大手業者は、単身者向けのパックプランを用意しています。荷物量がコンテナボックス1台分に収まれば、近距離で15,000円〜30,000円程度で利用できます。
大手ならではの安心感があり、補償やサービスも充実しています。ただし、荷物がコンテナに収まらない場合は通常プランの料金になるため、事前に荷物量を正確に把握しておくことが大切です。
地域密着型の引越し業者
地域に根ざした中小の引越し業者は、大手と比べて料金が安い傾向があります。広告費や人件費が抑えられている分、その分を料金に反映しているためです。
地域密着型業者のメリットは、その地域の道路事情や建物の特性に詳しい点です。「このマンションは搬入口がここにしかない」「この道路は時間帯によって通行止めになる」といった地域情報を把握しているため、スムーズに作業が進みます。
デメリットとしては、大手と比べて補償が手薄な場合があることです。契約前に補償内容を確認しておきましょう。
赤帽
赤帽は、個人事業主が軽トラックで運送サービスを行う協同組合です。近距離引越しでは特に強みを発揮し、料金は10,000円〜20,000円程度と非常にリーズナブルです。
ただし、ドライバー1名と軽トラック1台が基本なので、荷物の搬出入は依頼者が手伝う必要があります。また、積載量は畳約2.5枚分が目安なので、荷物が多い場合は不向きです。一人暮らしで荷物が少ない方には最適な選択肢です。
軽貨物運送業者
赤帽以外にも、軽貨物車両で運送サービスを行う業者があります。「くらしのマーケット」(https://curama.jp/)などのマッチングサイトで見つけることができ、料金は赤帽と同等かそれ以下のケースもあります。
個人事業主が多いため、サービスの質にばらつきがある点には注意が必要です。口コミや評価を確認してから依頼しましょう。
レンタカーで自力引越し
荷物が少なく、手伝ってくれる人がいる場合は、レンタカーを借りて自力で引越しする方法もあります。軽トラックのレンタル料金は1日5,000円〜8,000円程度で、業者に依頼するよりも安く済みます。
ただし、搬出入の作業は全て自分で行う必要があり、荷物の破損や建物への損傷は自己責任になります。大型家具が多い場合はおすすめしません。

近距離引越しの業者選びで確認すべきポイント
業者を選ぶ際に、料金だけでなく以下のポイントも確認しておくことで、失敗を防げます。
補償内容
引越し中に荷物が破損したり、建物に傷がついた場合の補償内容を必ず確認しましょう。大手業者は最大1,000万円程度の補償が付いていることが多いですが、中小業者や赤帽では補償が限定的な場合があります。
追加料金の条件
見積もり時に提示された金額以外に、追加料金が発生する条件を確認しておきましょう。エレベーターなしの場合の階段料金、エアコン脱着、大型家具の解体・組立などが別料金になっていないかチェックしてください。
口コミ・評判
実際に利用した人の口コミは、業者の実力を判断する貴重な情報源です。引越し侍(https://hikkoshizamurai.jp/)やSUUMO引越し見積もり(https://hikkoshi.suumo.jp/)などのサイトで、業者ごとの口コミを確認できます。
作業スタッフの人数
近距離引越しでは、料金を抑えるためにスタッフ1名で対応する業者もあります。荷物量に対してスタッフの人数が適切かを確認しましょう。スタッフが足りないと作業時間が長引き、結果的に追加料金が発生するリスクがあります。
近距離引越しの料金を安くするコツ
近距離引越しの料金をさらに安くするためのテクニックをご紹介します。
平日・午後便を選ぶ
土日祝日よりも平日の方が料金は安くなります。また、午前便よりも午後便(フリー便)の方が安いケースが多いです。フリー便は業者の都合で開始時間が決まるため、時間の融通が利く方におすすめです。
荷物を減らす
不要なものを引越し前に処分すれば、トラックのサイズダウンやスタッフの人数削減につながり、料金が安くなります。引越しは不用品を整理する絶好のタイミングです。
繁忙期を避ける
2月〜4月の繁忙期を避けるだけで、料金は大幅に下がります。時期を選べるなら、5月〜1月の通常期に引越しするのが最もお得です。
混載便を利用する
混載便とは、他の利用者の荷物と同じトラックで運ぶプランです。トラックの空きスペースを有効活用するため、料金が通常よりも安くなります。ただし、日時の指定ができない場合が多く、配達までに時間がかかることがあります。
自分でできることは自分でやる
荷造り・荷ほどきを自分で行うことで、梱包サービスの料金を節約できます。また、不用品の処分も業者に頼むと費用がかかるため、自治体の粗大ごみ回収を利用する方が安く済みます。

近距離引越しならではの注意点
近距離引越しには、長距離引越しとは異なる注意点がいくつかあります。
自力引越しのリスク
「近距離だから自分でやろう」と考える方もいますが、自力引越しにはリスクがあります。重い家具を運んで腰を痛めたり、壁や床に傷をつけてしまうケースは少なくありません。特に洗濯機や冷蔵庫などの大型家電は、素人が運ぶと故障や事故の原因になります。
自力引越しで建物を傷つけた場合、修繕費用は自己負担です。業者に依頼していれば補償が適用されるケースでも、自力引越しでは全額自費になります。
複数回に分けると割高になる
「荷物を少しずつ運べばいい」と複数回に分けて運ぶと、ガソリン代やレンタカー代がかさみ、結果的に業者に頼むよりも高くなることがあります。引越し回数はできるだけ1回で済むように計画するのがコスト面で有利です。
ピストン輸送という選択肢
近距離引越しでは、業者がトラックで旧居と新居を複数回往復する「ピストン輸送」という方法が使えることがあります。トラックのサイズを小さくして往復回数を増やすことで、大型トラック1台分の料金よりも安くなるケースがあります。業者に相談してみましょう。
近距離だからといって手を抜くのは禁物です。荷造りの丁寧さや養生の重要性は、距離に関係ありません。特に壁や床への傷は退去時のトラブルにつながるため、しっかり養生してもらうか、自分で養生材を準備しましょう。
近距離引越しの業者比較表
各業者タイプの特徴をまとめた比較表です。自分の条件に合った業者を選ぶ参考にしてください。
大手引越し業者(単身パック)
料金目安:15,000〜40,000円 / 補償:充実 / 荷物量:コンテナ1台分まで / 向いている人:安心感を重視する方
地域密着型業者
料金目安:15,000〜35,000円 / 補償:業者による / 荷物量:柔軟に対応 / 向いている人:コスパ重視の方
赤帽
料金目安:10,000〜20,000円 / 補償:限定的 / 荷物量:軽トラ1台分 / 向いている人:荷物が少ない単身者
レンタカー自力
料金目安:5,000〜10,000円 / 補償:なし / 荷物量:車種による / 向いている人:手伝ってくれる人がいる方
よくある質問(Q&A)
Q. 近距離引越しで最も安い方法は何ですか?
A. 荷物量が少ない場合は赤帽が最安クラスです(10,000円前後〜)。自力引越しはさらに安くなりますが、リスクを考慮すると、赤帽や軽貨物業者に依頼するのがバランスの良い選択です。
Q. 大手と地域密着型業者、どちらがおすすめですか?
A. 補償や安心感を重視するなら大手、コストを重視するなら地域密着型がおすすめです。ファミリーの引越しは荷物が多く補償の重要性が高いため大手、一人暮らしで荷物が少なければ地域密着型や赤帽を検討してみてください。
Q. 近距離引越しでも訪問見積もりは必要ですか?
A. 荷物量が少なく正確に把握できている場合は電話やオンライン見積もりでも対応できます。ただし、大型家具がある場合や荷物量が多い場合は、訪問見積もりを受けた方が当日の追加料金リスクを防げます。
Q. 近距離引越しの所要時間はどのくらいですか?
A. 一人暮らしで荷物が少ない場合は2〜3時間程度、ファミリーの場合は4〜6時間程度が目安です。移動距離が短い分、長距離引越しよりも作業時間は短くなりますが、荷物量によっては半日以上かかることもあります。
Q. 洗濯機や冷蔵庫だけ業者に運んでもらうことはできますか?
A. はい、大型家電・家具だけを運ぶサービスを提供している業者もあります。小さな荷物は自分で運び、重い家電だけプロに任せるという方法はコスパが良いです。「家具だけ引越し」「家電のみ配送」などのキーワードで検索してみてください。


