引越し費用がいくらかかるのか、事前に目安を把握しておきたいという方は多いでしょう。引越し費用は「距離」「荷物量」「時期」の3つの要素で大きく変動しますが、中でも移動距離は費用に直結する重要な要素です。
同じ荷物量でも、近距離の引越しと長距離の引越しでは費用が2倍以上になることも珍しくありません。特に県をまたぐ長距離引越しは、トラックの拘束時間や高速道路料金、人件費がかさむため、想像以上に高額になるケースがあります。
この記事では、引越し費用を距離別・人数別に整理し、費用を抑えるためのコツも合わせて紹介します。引越しの見積もりを取る前の参考情報として活用してみてください。

引越し費用を決める3つの要素
具体的な距離別の目安を見る前に、引越し費用がどのように決まるのかを理解しておきましょう。引越し費用は主に「距離」「荷物量」「時期」の3つの要素で構成されています。
距離(移動距離)
引越し元から引越し先までの移動距離が長くなるほど、トラックの燃料費、高速道路料金、ドライバーの拘束時間が増えるため費用が上がります。国土交通省が定める「標準引越運送約款」では、距離制と時間制の2つの料金体系が設けられており、多くの業者がこれをベースに料金を設定しています。
荷物量(トラックのサイズ)
荷物量は使用するトラックのサイズに直結します。一人暮らしなら軽トラック〜2tトラック、ファミリーなら3t〜4tトラックが目安です。トラックが大きくなるほど基本料金が高くなるため、不要な荷物は引越し前に処分しておくことが節約につながります。
時期(繁忙期・通常期)
引越し業界には繁忙期と通常期があり、料金が大きく異なります。3月〜4月上旬は最大の繁忙期で、通常期の1.5〜2倍の料金になることもあります。可能であれば繁忙期を避けて引越しすることで、大幅に費用を抑えられます。
- 距離が長いほど燃料費・高速道路料金・人件費が増加
- 荷物量に応じてトラックサイズが変わり、基本料金に影響
- 3月〜4月の繁忙期は通常期の1.5〜2倍の料金になることも
- オプション(エアコン取り外し、ピアノ搬送など)は別途費用
一人暮らしの引越し費用 距離別目安
一人暮らしの引越し費用の目安を距離別にまとめます。荷物量は一般的なワンルーム〜1Kの荷物量(トラック1t〜2t)を想定しています。金額は通常期(5月〜2月)の相場です。
近距離(〜15km):同一市区町村内
同じ市区町村内や隣の駅程度の引越しです。移動距離が短いため、作業時間も2〜3時間で完了することが多く、費用は比較的安く抑えられます。
- 荷物少なめ(ダンボール10箱程度):25,000〜35,000円
- 荷物普通(ダンボール20箱+家具家電):30,000〜45,000円
中距離(15〜50km):同一都道府県内
同じ都道府県内での引越しや、隣接する市区町村への引越しが該当します。移動時間は30分〜1時間程度です。
- 荷物少なめ:30,000〜45,000円
- 荷物普通:40,000〜55,000円
中〜長距離(50〜200km):隣接する都道府県
隣の県への引越しがこの距離帯に当たります。高速道路を利用するケースが多く、その分の費用が上乗せされます。
- 荷物少なめ:45,000〜65,000円
- 荷物普通:55,000〜80,000円
長距離(200〜500km):東京〜大阪間など
例えば東京から大阪、東京から仙台といった距離の引越しです。1日で完了しないケースもあり、作業が翌日にまたがると追加費用が発生することがあります。
- 荷物少なめ:70,000〜100,000円
- 荷物普通:80,000〜130,000円
超長距離(500km以上):東京〜福岡、東京〜北海道など
東京から福岡、東京から北海道など、かなりの長距離になると費用も高額になります。フェリーや鉄道コンテナ便を利用する「混載便」も選択肢に入ってきます。
- 荷物少なめ:100,000〜150,000円
- 荷物普通:120,000〜200,000円

二人暮らしの引越し費用 距離別目安
二人暮らし(カップル・夫婦)の引越し費用の目安です。荷物量は1LDK〜2DKの荷物量(トラック2t〜3t)を想定しています。通常期の相場です。
近距離(〜15km)
- 荷物少なめ:40,000〜55,000円
- 荷物普通:50,000〜70,000円
中距離(15〜50km)
- 荷物少なめ:50,000〜70,000円
- 荷物普通:60,000〜85,000円
中〜長距離(50〜200km)
- 荷物少なめ:65,000〜95,000円
- 荷物普通:80,000〜120,000円
長距離(200〜500km)
- 荷物少なめ:100,000〜150,000円
- 荷物普通:130,000〜200,000円
超長距離(500km以上)
- 荷物少なめ:150,000〜220,000円
- 荷物普通:180,000〜300,000円
ファミリー(3人以上)の引越し費用 距離別目安
3人以上のファミリー世帯の引越し費用です。荷物量は3LDK〜4LDK(トラック3t〜4t)を想定しています。ファミリー引越しは荷物量が多いため、距離による費用の上がり幅も大きくなります。
近距離(〜15km)
- 60,000〜90,000円
中距離(15〜50km)
- 80,000〜120,000円
中〜長距離(50〜200km)
- 110,000〜180,000円
長距離(200〜500km)
- 150,000〜280,000円
超長距離(500km以上)
- 200,000〜400,000円以上
上記はあくまで通常期の目安です。繁忙期(3月〜4月上旬)は上記金額の1.5〜2倍になることがあります。また、土日祝日も平日より高くなる傾向があります。正確な費用は必ず複数の業者から見積もりを取って確認してください。
引越し費用を安くする7つの方法
距離は変えられませんが、工夫次第で引越し費用を抑えることは十分可能です。以下の7つの方法を検討してみてください。
1. 複数の業者から見積もりを取る
引越し費用を抑える最も効果的な方法は、3社以上から見積もりを取って比較することです。同じ条件でも業者によって数万円の差がつくことは珍しくありません。引越し侍やSUUMO引越しなどの一括見積もりサービスを利用すると、手軽に複数社の見積もりを比較できます。
2. 繁忙期を避ける
3月〜4月上旬の繁忙期を避けるだけで、費用が30〜50%程度安くなることがあります。転勤などでどうしても時期を選べない場合は、月の上旬や平日を選ぶだけでも多少の節約効果が期待できます。
3. 荷物を減らす
不要な家具・家電・衣類は引越し前に処分しましょう。荷物が減ればトラックのサイズを小さくできるため、基本料金が下がります。フリマアプリやリサイクルショップを活用すれば、処分費用を回収できることもあります。
4. 混載便・コンテナ便を利用する
長距離引越しの場合、他の荷物と一緒にトラックに積む「混載便」を利用すると費用を大幅に抑えられます。ただし、到着日の指定ができない(おおむね1週間程度かかる)点がデメリットです。日程に余裕がある場合には有効な節約方法です。
5. フリー便・午後便を選ぶ
引越しの時間帯を業者に任せる「フリー便」や、午後からの作業にする「午後便」は、午前中のスタートよりも安くなることが多いです。時間が読みにくいというデメリットはありますが、費用が1〜2割程度安くなることがあります。
6. 自分で梱包する
ダンボールへの梱包を自分で行う「セルフパック」にすると、作業員の人件費を削減できるため費用が下がります。ダンボールは引越し業者が無料提供してくれることが多いので、事前に確認してみてください。
7. 単身パック・宅配便を検討する
荷物が少ない一人暮らしの引越しなら、大手業者の「単身パック」や宅配便を利用する方法もあります。日本通運の単身パックは専用ボックスに収まる荷物量であれば、長距離でも比較的安く引越しができます。国土交通省の引越し関連ページでも業者選びの注意点が紹介されています。

距離別の引越し方法の選び方
距離によって最適な引越し方法は異なります。それぞれの距離帯で検討すべき方法を整理しておきましょう。
近距離(15km以内)の場合
近距離なら引越し業者以外の選択肢も豊富です。荷物が少なければ、レンタカーを借りて自力で引越しする方法もあります。軽トラックのレンタル料金は半日で5,000〜8,000円程度なので、友人に手伝ってもらえればかなりの節約になります。
また、赤帽のような軽貨物便を利用するのも近距離引越しでは有効です。大手引越し業者の半額以下で済むことが多いです。
中距離(50〜200km)の場合
中距離になると自力での引越しは体力的にも時間的にも厳しくなるため、引越し業者に依頼するのが一般的です。複数社から見積もりを取り、価格交渉をすることで1〜2割程度値引きしてもらえるケースが多いです。
長距離(200km以上)の場合
長距離引越しでは、トラック便のほかに混載便やJRコンテナ便など、複数の輸送方法を検討しましょう。到着日の柔軟性が高ければ、混載便で通常便の30〜50%オフになることもあります。
全日本トラック協会の引越しに関するページ(jta.or.jp・サイト終了)でも、引越し時のトラブル防止や注意点が掲載されています。
引越し費用の距離別目安 Q&A


