引越しで住所が変わると、車を持っている方は車庫証明(自動車保管場所証明書)の変更手続きが必要になります。車庫証明の変更は義務であり、手続きを怠ると法律上の罰則もあるため、引越し後は速やかに対応しましょう。
車庫証明の手続きは普段あまりなじみがなく、「どこで何をすればいいの?」と戸惑う方が多いのが実情です。特に初めての引越しでは、必要書類の多さに圧倒されてしまうこともあるかもしれません。
この記事では、引越し時の車庫証明の手続き方法、必要書類、費用、注意点まで丁寧にまとめました。手続きの全体像をつかんで、効率よく進めていきましょう。

車庫証明とは?なぜ引越し時に変更が必要なのか
車庫証明は正式には「自動車保管場所証明書」と呼ばれ、自動車の保管場所が確保されていることを証明する書類です。自動車の登録や住所変更の際に、管轄の警察署に申請して取得します。
自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)では、自動車の保管場所を変更した場合は15日以内に届出を行うことが義務付けられています。引越しによって駐車場の場所が変わる場合はもちろん、同じ駐車場を使い続ける場合でも住所が変わるなら手続きが必要です。
手続きを怠った場合、10万円以下の罰金に処される可能性があります。車検証の住所変更にも車庫証明が必要なため、放置するとさまざまな場面で支障が出てきます。
車庫証明の申請に必要な書類一覧
車庫証明の申請に必要な書類は複数あります。駐車場が自分の所有地か賃貸かによって一部異なるため、自分の状況に合った書類を準備しましょう。
全員共通で必要な書類
- 自動車保管場所証明申請書(正副2通)
- 保管場所標章交付申請書(正副2通)※2025年4月1日以降は保管場所標章が廃止されたため不要
- 保管場所の所在図・配置図
- 車検証のコピー
申請書の用紙は管轄の警察署の窓口で入手できるほか、各都道府県警のホームページからダウンロードすることも可能です。警察庁の駐車対策のページ(www.npa.go.jp・サイト終了)から各都道府県警の案内にアクセスできます。
駐車場が自分の所有地の場合
駐車場が自分の持ち家や所有する土地の場合は、「自認書(保管場所使用権原疎明書面)」が必要です。自認書は定型の用紙に署名・捺印するだけのシンプルな書類です。
駐車場が賃貸・月極の場合
賃貸の駐車場や月極駐車場を利用している場合は、「保管場所使用承諾証明書」が必要です。これは駐車場の管理会社やオーナーに記入・押印してもらう書類で、発行に手数料がかかることもあります。
管理会社によっては発行まで数日〜1週間程度かかる場合があるため、引越しが決まったら早めに依頼しておきましょう。発行手数料は無料のところもあれば、3,000〜5,000円程度かかるところもあります。
- 自分の土地に駐車する場合は「自認書」を用意
- 賃貸・月極駐車場の場合は「保管場所使用承諾証明書」が必要
- 使用承諾証明書の発行には時間がかかることがあるため早めに依頼
- 申請書類は警察署の窓口または都道府県警のサイトで入手可能
所在図・配置図の書き方
車庫証明の申請で多くの方が戸惑うのが、所在図と配置図の作成です。難しそうに感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば自分で問題なく作成できます。
所在図の書き方
所在図は、自宅と駐車場の位置関係を示す地図です。Googleマップなどの地図を印刷して添付する方法でも受理されるケースが多いです。自宅と駐車場の場所を丸で囲み、両者の直線距離を記入してください。自宅と駐車場の距離は直線で2km以内でなければなりません。
配置図の書き方
配置図は駐車スペースの詳細を示す図面です。駐車場の形状と寸法(幅×奥行き)、出入口の幅、前面道路の幅を記入します。手書きで構いませんが、寸法はメートル単位で正確に書きましょう。マンションの場合は駐車場番号も記入が必要です。

車庫証明の申請手順と流れ
書類の準備ができたら、いよいよ警察署へ申請に行きます。手続きの流れを順番に見ていきましょう。
ステップ1:管轄の警察署を確認する
車庫証明の申請先は、駐車場の所在地を管轄する警察署です。自宅の最寄りの警察署ではなく、駐車場がある場所を管轄する警察署という点に注意してください。管轄は各都道府県警のホームページで確認できます。
ステップ2:窓口で申請する
準備した書類一式を窓口に提出します。車庫証明の受付は「車庫証明窓口」や「交通課」で行っていることが多いです。窓口の受付時間は平日の8:30〜17:15が一般的で、土日祝日は受付していません。
申請時に手数料を支払います。手数料は都道府県によって若干異なりますが、おおむね以下のとおりです。
- 申請手数料:2,100〜2,200円程度
- 合計:約2,100〜2,200円
手数料は収入証紙で支払うのが一般的です。収入証紙は警察署内の売店や近くの交通安全協会で購入できます。
ステップ3:交付を受け取る
申請後、警察署が保管場所の現地調査を行います。問題がなければ車庫証明書が交付されます。交付までの期間は3〜7営業日が目安です。申請時に交付予定日を教えてもらえるので、その日以降に再度警察署に受け取りに行きます。
交付される書類は以下の3点です。
- 自動車保管場所証明書(車庫証明書本体)
- 保管場所標章番号通知書
なお、2025年4月1日から保管場所標章(ステッカー)は廃止されました。以前は車の後面ガラスにステッカーを貼る義務がありましたが、現在は不要です。
車庫証明にかかる費用の総まとめ
車庫証明の手続きにかかる費用を整理します。自分で手続きする場合と、ディーラーや行政書士に代行を依頼する場合で大きく異なります。
自分で手続きする場合
自分で手続きする場合の費用は、警察署に支払う手数料のみです。
- 申請手数料:約2,100〜2,200円
- 保管場所使用承諾証明書の発行手数料:0〜5,000円(賃貸の場合)
- 合計:約2,100〜7,200円
代行を依頼する場合
ディーラーや行政書士に代行を依頼する場合は、上記に加えて代行手数料として10,000〜20,000円程度が上乗せされます。平日に警察署へ2回行く必要があるため、仕事を休めない方には代行の利用も選択肢になります。
車庫証明の有効期限は交付日から約40日間です。車庫証明を取得したら、期限内に運輸支局で車検証の住所変更手続き(変更登録)を済ませてください。期限が切れると車庫証明を取り直しになります。

車庫証明が不要なケース
実は車庫証明の手続きが不要な場合もあります。自分のケースが該当するかどうか確認しておきましょう。
軽自動車の場合
軽自動車は車庫証明ではなく「保管場所届出」という手続きになります。届出が必要かどうかは地域によって異なり、人口10万人以上の市や東京23区などでは届出が必要ですが、それ以外の地域では不要な場合もあります。
国土交通省の自動車登録に関するページ(www.mlit.go.jp・サイト終了)で地域ごとの対象確認が可能です。
適用除外地域に該当する場合
一部の村や過疎地域では、車庫証明の義務が適用されない「適用除外地域」に指定されている場合があります。旧住所・新住所ともに適用除外地域であれば、車庫証明の手続きは不要です。
引越し時の車庫証明 Q&A


