引越しの準備を始めて最初に迷うのが、ダンボールを何枚用意すればいいのかという問題です。少なすぎれば荷造りの途中で足りなくなり、多すぎれば余った分の置き場所と処分に困ります。しかもダンボールにはサイズがあり、どの荷物をどの箱に入れるかで、使う枚数は大きく変わります。この記事では、人数と間取りごとの必要枚数の目安、サイズの使い分け、無料で手に入れる方法、そして枚数を減らすコツまで、荷造りを始める前に知っておきたいことを整理してお伝えします。

人数・間取り別の必要枚数の目安
まずは全体の枚数感をつかみましょう。荷物の量には個人差が大きいので、あくまで出発点の数字として見てください。
| 世帯 | 間取りの目安 | ダンボールの枚数 |
|---|---|---|
| 単身(荷物少なめ) | ワンルーム・1K | おおむね10〜15枚 |
| 単身(荷物多め) | 1DK・1LDK | おおむね15〜25枚 |
| 2人暮らし | 1LDK・2DK | おおむね20〜30枚 |
| 3人家族 | 2LDK・3DK | おおむね30〜50枚 |
| 4人家族 | 3LDK以上 | おおむね50〜80枚 |
この数字を見て「思ったより多い」と感じた方も多いかもしれません。荷造りを始めると、押し入れやクローゼットの奥から次々に荷物が出てくるので、実際にはこの目安を上回ることもよくあります。
枚数がぶれる要因は主に3つです。本や食器の量、衣類の量、そして住んでいた年数。とくに長く住んだ家ほど物が増えているため、同じ間取りでも枚数が変わります。
- 目安の枚数に対して、2〜3割ほど多めに用意しておくと安心です
- 足りなくなったときの追加が有料の業者もあるため、最初に条件を確認しましょう
- 余ったダンボールは、使っていなければ返却できる場合があります
サイズの種類と使い分け
引越し業者が用意するダンボールは、たいてい大小2種類、多くても3種類です。「Sサイズ・Mサイズ」「小・大」といった呼び方の場合もあれば、100サイズ・120サイズ・140サイズという3辺(縦+横+高さ)の合計で表す場合もあります。
| サイズ | 3辺合計の目安 | 入れるもの |
|---|---|---|
| 小 | 100cm前後 | 本・食器・調味料・工具・CD・DVD |
| 中 | 120cm前後 | 雑貨・小型家電・おもちゃ・靴 |
| 大 | 140cm前後 | 衣類・タオル・寝具・クッション |
使い分けの原則はシンプルです。重いものは小さい箱、軽くてかさばるものは大きい箱。これを逆にすると、重すぎて持ち上がらない箱ができたり、スカスカで潰れる箱ができたりします。
本を大きな箱に詰めると簡単に20kgを超え、底が抜けます。逆に衣類を小さな箱に入れると、箱の数がむやみに増えて積み込みの効率が落ちます。荷造りを始める前に、「この部屋のものはどっちのサイズか」をざっくり決めておくとスムーズです。

小と大、どちらを多めに用意する?
比率としては、小サイズをやや多めか、半々くらいで考えるとバランスが取れます。荷造りをしていると、意外と小さい箱のほうが早くなくなるからです。
理由は2つあります。ひとつは、キッチンまわりの荷物が想像以上に多いこと。食器、鍋、調味料、保存容器と、小さい箱を次々に消費します。もうひとつは、重いものを詰めるときに「まだ入るけれど重さで止める」という判断が入るため、1箱に入る量が少なくなることです。
逆に大サイズは、衣類や布団を圧縮袋でまとめると使う枚数が減ります。布団は専用の袋を業者が用意してくれることも多く、その場合ダンボールは不要です。
ダンボールはどこで手に入る?
引越し業者から支給される
もっとも一般的な入手方法です。契約すると、決められた枚数まで無料で届けてくれます。枚数の上限や、超過分が有料かどうかは業者ごとに違うため、見積もりのときに確認しておきましょう。
業者のダンボールは引越し用に強度が設計されており、サイズも積み込みしやすい規格でそろっています。サイズが統一されているとトラックへの積載効率が上がるため、荷物量の見積もりも安定します。
スーパーやドラッグストアでもらう
費用をかけたくない場合の選択肢です。店舗によっては、レジ横や店頭に自由に持ち帰れるダンボールを置いています。声をかければ分けてもらえることもあります。
ただし注意点もあります。
店舗でもらうダンボールは、サイズがばらばらで積み重ねにくく、一度使われているため強度も落ちています。生鮮食品が入っていた箱は湿気を吸っていたり、においが残っていたりすることがあります。まれに小さな虫が潜んでいることもあるため、新居に持ち込む荷物を入れる箱としては慎重に選んでください。
ホームセンター・通販で買う
足りない分を買い足す方法です。サイズを選べるうえ、新品なので強度が安定しています。引越し用のセット売りもあり、テープや緩衝材がまとまっているものもあります。単価は1枚あたり数百円程度が一般的です。箱だけ買い足す場合は、底留め用の布テープも一緒に補充しておきましょう。
フリマアプリや地域の掲示板
引越しを終えた人が、使用済みのダンボールをまとめて譲るケースがあります。引越し用の規格品が手に入ることもあり、状態がよければ十分使えます。ただし受け取りに行く手間はかかります。

枚数を減らすコツ
ダンボールの数が減れば、荷造りの時間も、処分の手間も減ります。荷物量が引越し料金に影響することもあるので、無駄を減らす価値はあります。
- 先に不要品を減らす:荷造りの前に処分・売却を済ませる
- 衣類は圧縮袋を使う:かさが大きく減り、箱数がまとまります
- 収納ケースはそのまま運ぶ:引き出し式の衣装ケースは、中身を入れたまま運べる場合があります
- ハンガーボックスを借りる:かけたままの衣類を運べる資材を貸してくれる業者があります
- スーツケースやカバンを活用:中身を詰めれば、それ自体が荷物入れになります
- 隙間なく詰める:中途半端に空いた箱が多いと枚数が増えます
業者からハンガーボックスを借りられない場合は、通販で購入できる段ボール製のハンガーボックスを使う方法もあります。
衣装ケースについては、業者ごとに扱いが異なります。中身を入れたまま運べるか、フタのないケースはどうするかは、必ず事前に確認してください。当日に「これは空にしてください」と言われると、そこから荷造りが始まってしまいます。
荷造りを始めるタイミング
ダンボールが届いたら、すぐに荷造りを始められる部屋から手をつけます。目安としては、引越しの2週間前から少しずつ進めると余裕をもって終えられます。
順番は「使わないもの」からです。
- 2週間前:オフシーズンの衣類、来客用の食器、本、思い出の品
- 1週間前:普段あまり使わないキッチン用品、装飾品、書類
- 2〜3日前:日常的に使う衣類、調理器具
- 前日:洗面用具、当日使うもの以外すべて
- 当日:貴重品、充電器、着替え、タオルなど手荷物にまとめる
箱の外には、必ず中身と新居での置き場所を書きます。「キッチン 食器」「寝室 衣類」のように書いておけば、当日作業員がその部屋へ直接運んでくれます。これだけで荷ほどきの効率がまるで変わります。
引越し後のダンボールはどうする?
荷ほどきが終わると、今度は空になったダンボールの山が残ります。処分の方法はいくつかあります。
引越し業者に回収を依頼できる場合があります。無料のところもあれば、有料のところ、プランに含まれているところもあり、対応はさまざまです。契約時に回収の可否を聞いておくと、あとで慌てずに済みます。
自治体の資源ごみとして出す方法もあります。回収日が決まっているため、荷ほどきのペースと合わせて計画してください。ダンボールは古紙としてリサイクルされ、再び紙製品の原料になります。リサイクルの流れについては、公益財団法人古紙再生促進センターで紹介されています。
そのほか、古紙回収業者の拠点へ持ち込む方法や、スーパーに設置された資源回収ボックスを利用する方法もあります。国内の3R(リデュース・リユース・リサイクル)の取り組みは、環境省のリサイクル関連ページにまとまっています。資源ごみとして出すときは、たたんだダンボールをひもで十字に束ねるのが一般的なので、ビニールひもを1巻用意しておくと片付けが進みます。
よくある質問
Q. ダンボールが足りなくなったらどうすればいいですか?
A. まずは契約した引越し業者に連絡してください。追加で届けてもらえることがあります。有料の場合や、日程的に間に合わない場合は、ホームセンターや通販で買い足すか、スーパーで分けてもらう方法があります。
Q. 余ったダンボールは返せますか?
A. 未使用で、組み立てていない状態なら返却を受け付けている業者があります。ただし対応は業者によって異なるため、受け取り時に確認しておきましょう。
Q. 単身パックでもダンボールはもらえますか?
A. プランによって、支給される場合と自分で用意する場合があります。コンテナに積む形式のプランでは、コンテナに収まる範囲という制約もあるため、サイズと枚数の条件を確認してください。
Q. どのくらいの重さまで詰めていいですか?
A. 自分が無理なく持ち上げられる重さが目安です。おおむね10kg前後、重くても15kgまでに収めると安全です。詰めながら時々持ち上げて確認するのが確実です。
Q. 荷造りを業者に任せることはできますか?
A. 荷造りまで行うプランを用意している業者があります。時間がない場合や、荷物量が多い場合には有効な選択肢です。料金は通常のプランより上がるため、見積もりで比較してみてください。
Q. ダンボールに入らない大きなものはどうしますか?
A. 布団は専用の袋、衣類はハンガーボックス、姿見や絵画は専用の資材と、業者がそれぞれに合った資材を持っています。無理に箱詰めせず、見積もりの段階で相談してください。
まとめ
ダンボールの必要枚数は、単身でおおむね10〜25枚、2人暮らしで20〜30枚、3人家族で30〜50枚、4人家族で50〜80枚が目安です。荷物の量には個人差があるため、目安より2〜3割多めに用意しておくと途中で止まらずに済みます。
サイズの使い分けは「重いものは小さい箱、軽くてかさばるものは大きい箱」。これを守るだけで、底抜けや持ち上げられない箱といったトラブルを防げます。比率は小さい箱を多めか半々くらいが実用的です。
入手先は業者からの支給が基本ですが、足りなければ購入や店舗でのもらい受けという方法もあります。荷造りは2週間前から使わないものより始め、箱の外に中身と置き場所を書いておく。この一手間が、新居での荷ほどきを大きく助けてくれます。



